四季折々の素晴らしい姿や、実りを享受してくれる豊かな湖北の自然は、途切れることなく変わらぬ姿で、この地域に住む全ての人のこころを育んでくれています。そして、そんな野山に広がる花や木は、大地にしっかりと根を張り、厳しい風雪にも耐え、様々な大地の恵みを受けながら生きています。その草木にとって根は、全ての源であり、無くてはならない大切なものであることは言うまでもありません。それは、私達にとっても同じことが言えるでしょう。花や木が、根から水や大地の恵みを吸収して、幹になり枝を張り、美しい花や実を付けるように、私達も相手の気持ちや、厳しさや温かさ、強い精神力など様々なものをこころで感じ取って行動に移していかなければなりません。
　湖北は、先人達から脈々と受け継がれてきた素晴らしい自然や歴史資産、そして文化とも言うべき人とひととのこころが通い合った人情味溢れる温かい地域です。現在のように、物質的な豊かさも勿論必要です。しかし、こころの豊かさがなければ、真の自立や発展は大地に根を張っているものとは言えないでしょう。草木のように、様々なものを吸収し、育て上げ、そして次代へと受け継いでいく、そんな贅沢なこころが必要であり源ではないでしょうか。
　贅沢なこころへの変革は、必ずや大地に根を張り、幹となり、そして湖北力として実り美しい花を咲かせるでしょう。

　地方分権という名のもとの風が吹き荒れ、過ぎ去って行きました。そしてその風は、私達の住むこの湖北においても、同じように吹いて行った事は言うもでもありません。いよいよ地域は、独自で考えて行動し、結果を出し、自立していかなければならない道を歩み始めたのです。そこに住む全ての人が、傍観者になること無く自らの意思のもと、様々な連携をする中でまちを創り上げていく、そんな姿を一刻も早く現実のものとしていかなければなりません。
　この湖北は、これまでも民の力で様々なものを提案し、実現へと結びつけてきた、そんな力を持つ人が多く住む素晴らしい地域です。しかし、私達は今の時代だからこそ地域に必要なもの、これから必ず必要とされるものをしっかりと見据えなければならないでしょう。そして青年会議所が地域に対して先頭に立って提言し、その実現に向けて今一度民の力を結集し、真の自立した地域の確立に向けて共に歩み始めなければならないのです。

　私達の住むこの湖北は、それぞれの時代おいてその地域を担う、地域を愛するこころを持った人たちによって、魅力溢れる数々の資産が、誇りとしてしっかりと受け継がれている素晴らしい地域です。そして、時代の流れと共に新しい風を呼び込み、古いものと新しいものをうまく融合させながら、常に発展を遂げてきました。しかし、今時代は各地域において、独自性と更なる住民自らの主体的な行動のもとでの真の自立を求めています。それは、時代の先駆者として常に発展を遂げてきた、この湖北においても求められているのです。
私達は、この地域の更なる発展を住民の方々と共に目指すべく、灯りという風を吹き込みました。湖北に住む全ての人が灯りを燈すことによって、家族のこころを育み、そのこころが地域に広がり、そしてそれが地域愛へと繋がることで、一つの灯りが湖北全体のこころの灯火となり、きっと新しい湖北の代名詞となることでしょう。

　地域に住む全ての人がお互いに声を掛け合い、地域の全ての人と共に暮らしているという温かいこころが、ひとつの文化として受け継がれている湖北。そんな湖北に私達は育まれてきたように思います。そして今の子ども達にも、これから生まれてくる子ども達にも、そんな温かいこころの繋がりのなかで育まれて欲しいと思います。私達は、これまで受け継がれてきたこころの繋がりを絶やすことなくしっかりと守ることは勿論のこと、次の世代へしっかりと受け継いでいかなければなりません。学区や集落単位の小さなコミュニティは、子ども達を育む一番大切な場所として、そこに住む全ての人が関わりを持たなければ意味がありません。そして、その全ての人がいつも子ども達に目を向け、こころ温かく見守ってあげることが必要不可欠なのです。そんなコミュニティが地域にしっかりと根ざすことで、笑顔溢れるこころ豊かな子ども達の遊んでいる姿が絶えない、素晴らしい地域が出来るはずです。

　「いい連れを持ったな」そんなことがこころから思える仲間がＪＣメンバーです。私達は、ただ単に一緒に遊んでいるだけの仲良しクラブではなく、奉仕・修練・友情を三信条とし、若者らしく様々な事に対して大きな夢を持ち、志というこころを結集し果敢に行動している素晴らしい組織です。
夢や希望を持つことから、全てが始まります。そして夢を語ることで、議論が始まり、自分自身の中でこころが動き出し、その実現に向けての一歩を踏み出していくのです。夢を語り合い、思いを込め、意見をぶつけ合い、共に汗し、共に悩み、共に笑い、共に感動するからお互いの絆が深まり、無二の友が生まれるのです。本当の仲間だから、何度ぶつかり合ってもまた一緒に酒が飲める。自分の意見と違うから視野が広がる。縦の繋がりと、横の繋がりがどこよりも強いのが長浜青年会議所です。
振り返ると、私達の先輩は私達の事を思い、厳しい意見を言ってくれたように思います。その厳しさに、めげず、くさらず、前向きに、こころで受け止めてきた歴史を、私達は引き継いで行かなくてはいけません。その厳しさの中には優しさがあり、私達の手を決して離されることはありませんでした。今一度、振り返ってみましょう。自分自身を見つめ直し鏡に映せば、様々なこころが見えてくるはずです。それを全身で感じ取ってください。

　青年会議所でこころを育み、自分を磨き、良き友に出会えれば、必ずや様々な壁は乗り越えられ、結果はついてくるはずですから。