【曳山博物館とは?】
長浜の中心市街地に位置し、多くの観光客で賑わう曳山博物館は、国の重要無形文化財にも指定され、ユネスコ世界遺産登録候補でもある長浜曳山祭りの収納・展示はもちろんの事、それだけにとどまらず湖国における有形無形文化財の保護・継承・研究等も兼ね備えた総合文化センターである。 (2000年オープン)
中心市街地にある曳山博物館(入口)
【長浜JCが曳山博物館設立にかけた思いとは!】
1970年代、「まちづくり」という言葉が生まれ、各地域のJCもまちのにぎわいづくりをする地域
活性化事業をはじめました。当時の長浜では観光客も今ほど多くなく、今後のまちの将来に漠然とした危機感がありました。
そんな中、長浜JCが議論を重ね、打ち出したのは、単なる賑わいの創出だけではなく、地域の特性を活かしたまちづくりをしなければ本当の魅力あるまちづくりにはならないという思いでした。そこで湖北の文化や、そこに住む人々の生きざまを象徴する物として出した答えが長浜曳山祭りでした。
曳山祭り
今ではユネスコの世界遺産登録候補となっている曳山祭りも当時は神輿の担ぎ手の減少、囃子(しゃぎり)の保存、若者の地元離れなど多くの問題」を抱えていました。その問題も自分たちの問題ととらえ、JCメンバーも曳山祭りをより深く理解する為に、総動員で神輿を担ぎ、各山の裸参りにも参加し、祭の本日には八幡宮に観光案内ブースを作り祭りと長浜をPRし、祭を直に体験することで「やはりこのまちには曳山祭りが必要不可欠、後世にしっかりと残していかなければならない湖北の誇るべき宝だ」と再確認し、長浜曳山祭りを【長浜の文化の象徴】として、ここに湖北の文化財や人々の生き様が集結しそれぞれの地に活かすべきだという【曳山博物館構想】 (1980年)が提唱されました。
【曳山博物館の担い】
前述にも述べたとおり、曳山博物館は単なる曳山の収納・展示にとどまらず、曳山以外の湖北の有形無形文化財の保護・継承・研究の機関でもあります。こうして湖北の文化を守りながら、中心市街地にあることで、観光客へのPRにも一躍買っており、曳山博物館広場では各週末ごとに地域の団体や人々による事業・イベントが開催され、長浜JCもまちの人々を巻き込んだ数々の事業を今日まで開催してきました。
曳山博物館広場での事業の様子
また館内の【伝承スタジオ】ではその名の通り単なる会議室ではなく、様々な文化を伝承して行く為に、多くのセミナーや研修、情報の発信の役割を担っています。
※長浜JCの足跡探訪 2回目曳山博物館(後編)に続く(3月中旬~下旬頃掲載予定)
曳山修復ドック
※取材協力 長浜青年会議所第37代理事長 漣 泰寿 氏