2018年4月13日

衆議院議員 財務副大臣 上野賢一郎氏と対談を致しました

セクション1 日本の根幹を担う副大臣として、日本や地方都市の現状について伺う。

理事長
日頃は長浜青年会議所に対しご理解・ご協力いただき誠に有難うございます。 昨年財務副大臣になられて、今までやられてきた政治活動とは違うと思いますが、変わった所を教えていただけますでしょうか。

上野氏
日頃から長浜青年会議所の皆様には大変お世話になりましてありがとうございます。歴史と伝統のある、また勢いのある青年会議所として、しっかりとした構想に基づいて様々な特色のある活動をされていますね。昨年の夏には豊公園で開催された事業、マネキンチャレンジに参加させていただき、非常に興味深い事業をしておられると感じました。それ以外にも子ども達の教育関係などの活動もされており、いつも素晴らしい青年会議所と感じております。これからもぜひ頑張っていただきたいと思います。
去年から副大臣をさせていただいております。また、選挙が終わった後に再任しました。副大臣になりこれまでの基本的な政治姿勢は変わらないですが、政府の一員になりましたので、公務が非常に増えました。例えば、国際会議などにも出席するようになり、先月もアルゼンチンへ行き、米州開発銀行の会議に出席しました。そこで日本政府代表として発言するという事もありました。政府代表となると重責を感じるところもありますが、しっかり職責を果たせるように努めていきたいと思っております。また、JCの大先輩の麻生財務大臣の下でご指導をいただきながら頑張っております。年末の予算や税制についても今までは、議員として関わっておりましたが、それを政府としてやらせていただくということになりましたので、僕一人の力というのは当然限られているわけですが、役所全体、あるいはいろんな関係の皆さんと協力しながら日本の財政、税制が良い方向に進められるように努力していきたいと思っています。

理事長
その前は、税制の事務局長をやっておられましたが、財務省に移られて、お立場も違いますか。

上野氏
そうですね、基本的に、与党の中でいろんな仕事をさせていただきました。税制の方もありましたし、昨年は経済産業部会長という事で、党としての中小企業対策や産業政策のとりまとめを行いました。政府に提言をしていく立場になります。一方政府の側としては、与党の声や国民の皆さんの声を踏まえて決めるという事になりますので、もちろん法律などは国会等の議決が必要ですが、政府として方針を決めて活動していくことになりますので、より責任は重く感じております。

理事長
ありがとうございます。安部総理大臣になってから地方創生の方に力を入れておられますが、実際に副大臣になられてから、地方都市の現状についての考え方の変化はありますか。

上野氏
もともと、地方再生を政策の大きな柱とさせていただいておりますので、特に変わったというよりむしろ現状を深く学ばせていただくことが出来ていると思います。
昨年も、広島県福山市に出張して、そこで中小企業の方々とお話しさせていただきました。やはり地方都市が活力をどう維持していくのかという事に対して、皆さん相当危機感を持っていらっしゃるなという事は改めて感じました。そうした中で、地元の企業の皆さんが、日本だけではなく、世界のマーケットシェアをどれだけ獲得するかという地方都市の会社であっても、あるいは会社だからこそ国内だけではなく世界に目を向けて頑張ろうとされておられるなど改めて知ることが出来ました。また、様々な地方都市の課題や少子高齢化の中で活力をどうしていくのかと非常に大きな課題ではありますが、何事も大きなビジョンの下で継続してそれぞれの努力を続けることで光が見えてくるのではないかとそういった思いを持っております。



セクション2 湖北都市圏創造構想を提唱した経緯を伝え、昨年まで行ってきた運動を踏まえ意見を伺う。

理事長
長浜市も米原市も人口減少が進んでいる中、私たち長浜青年会議所は湖北都市圏創造構想を2015年に掲げさせていただきました。単純にその名の通り人が集まれるような都市のネットワーク、長浜・米原だけではなく近隣も含めたネットワークの中心的な存在として近隣も含めて人口増を図っていくまちづくり運動をしております。
昨年、新湖北創造運動では、長浜バイオ大学でさいかち浜など水辺をもっと活用していこうといった政策提言を行いました。まちづくり運動では、湖北にシンボルを創り上げるために湖北八景を選定しました。今年はその湖北八景を長浜観光公社様にツアーで取り入れていただき、少しずつ湖北八景が地域に根付いているのではないかと思っております。青少年育成運動に関しては、もっと広い視野を持つように子供を育てようと田舎だけの視野だけで終わらない子供たちを育てていこうという活動をしています。このように様々な政策提言などを行うのですが、中々いきっぱなしで終わってしまうところもあり、より具体的に進めていこうとならないのですが、地方創生的な観点からはどういうところに気を付ければいいと思われますか。

上野氏
お話しされた点は非常に重要な点だと思っています。ネットワークと言うお話はありましたが、人口が減っていくのは止められないわけです。滋賀県南の方はある程度人口は横ばいだと思いますが、北の方はなかなか厳しい状態だと思います。たしか余呉小学校の新入生が7人~8人だったと思います。だからこそネットワークを使って地域の活力を維持していくことが基本的な考え方だというのはおっしゃる通りだと思います。その中で、観光ですね、湖北の場合は、この観光産業をどう伸ばしていくのかが大事だと思います。まさに水辺、湖北の水辺構想はぜひ具体化して人が集うようなエリアにしていくことが一番重要だと思います。例えば、計算上は仮に外国人観光客が年間15人くらい来れば、地元の人口が一人減ったとしてもその分の消費は維持できますのでどんどん人を呼び込むようにして地域の活力を維持していく発想は大事だと思います。

理事長
米原駅の東口が構想開発のプランがニュースになっていましたが、あれもインバウンド向け、インバウンドというよりは日本人の観光客向けという感じもしますが、そういったところも含めて、自治体同士の連携を図れないのかなと感じます。米原市が発表したことに対して長浜市がそれに対して特段アクションをとれないことに歯がゆさを感じています。

上野氏
それも仰る通りで、より広域的な連携を図っていく必要があります。ある町ある市単独でやれることは限られていますので、より広域的な連携の中で、どう地域のデザインを描くのかと言う事が大事だと思います。特にこれから、少なくとも2022年には敦賀までは必ず北陸新幹線が開通します。そうすると米原も新幹線の駅があるので、敦賀という新しい出入り口が増える、北の方はこれまでは滋賀県からみれば一番北の端でしたが、実は最先端の入り口になる可能性があるわけです。そうした変化を踏まえてどのように人を呼び込むかという事を考えていくことが大事になってきます。
先日、余呉で古民家再生のシンポジウムを行いました。古民家を使って、丹波の笹山は年間数万人の観光客がいらっしゃいます。湖北は茅葺の集落も沢山ありますので、古民家という今ある資源を再評価して磨いていく、これを観光の一つの材料としてやっていければなと思います。そして昔、黒壁がそうであったように「新しい黒壁」のような新たな観光産業が出来てくるという事も大事だと思います。自治体同士の広域的な連携の橋渡し役なども長浜JCに期待されることだと思います。



セクション3 今年度所信にて掲げている剛毅果断の意味と想いをお伝えし、2018年度長浜青年会議所長浜青年会議所の運動について意見を伺う。

理事長
今年度、剛毅果断というスローガンを掲げさせていただきました。意味合いは文字の通り、剛毅が強い意志で果断、積極果敢でやっていこうと決めていこうということす。いろいろと意見を伺う事自体も大事ですが、まず自分たちが意思を出す、決めてしまう。それに対してのアレルギー反応は受け入れて、そういう事を積極的にやっていきたいと思っています。
本年度は新湖北創造運動では、昨年提示したさいかち浜の活用プランをベースにもっとがっしりとしたグランドデザインを作りたいと思っております。
まちづくり運動では湖北八景については昨年決めさせていただきましたので、今年はそれを活用できるように、現段階ではレクサスのダイニングアウトみたいなことをしようと考えております。レクサスがスポンサーとなっていろいろな観光地で食事をするというような事業を湖北八景推進委員会が考えているのですが、そういう場所で外に向けて発信していくという事と、まだこれも仮の案ですが、竹生島で能をやる。竹生島っていう演目があるので、竹生島で舞台を作って能をやりますっていうようなことで、観光的な視点でどんどん発信していきたいと考えています。
青少年育成事業では積極的に県外に足を運んで、国もですけど県もSDGsに力を入れているのでそれをきっかけにJICAさんで勉強させていただいて、それを地域に持って帰ってなにかできないかと、子供たちに何か考えさせるという事をやっていきたいと考えています。
活動の柱は、性質的にも政策提言と、実際の地域づくり・まちおこし、子供たちの教育の3本の柱でさせていただいております。実際の地方創生に関しては子供教育にも取り組んでおられるのでしょうか。

上野氏
地方創生は勿論ですが、人材教育、人材は非常に重要で、これからの日本の少子高齢化の中で日本を担うというか、あるいは世界の中で頑張れるというか、そういう人材をどう育てていくか、非常に大きな課題ですね。また地域社会を支える人材もとても大切なことです。

理事長
子供たちが世界的に視野を広げて、湖北と言う地方都市でもそういう意識を深く持っていくためには、どういうことに気を付けて、大人も意識していかないといけないのかなと言うところで、ご意見があればお願いします。

上野氏
これまでは教育はどちらかと言うと東京一極集中の面があったと思います。東京の方が教育環境がいいとか学ぶ機会が多いとかありましたが、これからはもっとフラットになってくると思います。昨年、私も自民党の中に「EdTech(エドテック)推進議員連盟」を立ち上げました。AIを使って教育をするのですが、そうすると場所を選ばない、どこでも誰でもできる、個人の進捗度合いに応じて学習出来るということがあります。インドネシアではAIを使って学校教育を導入している例があります。普通に教えるだけだと1年間で平均点が30点が40点になるだけですが、AIを使った学校だと30点が90点になる例があったりします。AIは学習だけではなく、それによって学習効率を上げて、空いている時間をいろんなテクノロジーに、例えばドローンであったり、3Dプリンタであったり、これからの時代に必要な新しい技術を学ぶことができます。まさに時代に沿った教育をやるかということが大事だと思います。日本的な教育のしつけや勉強ができるとかも大切ですが、それプラスの教育に世界の潮流に合うような教育っていうのをどうやるのか、それは別に東京じゃなくても、湖北でもできると思います。

理事長
やはりそのような教育を教育委員会にしてほしいと言っても中々難しいですね。

上野氏
教育制度をしっかりと守っていくことも重要ですが、今後はより新しいことにチャレンジするということも大切になると思います。

理事長
我々企業家がやっていくことが大切ですね。

上野氏
まさにJCの皆さんが、企業家としてこれからの日本や地域の視点に立って学校教育を外から応援をしていったり提案をしていくということが大切になると思います。

理事長
かといって勝手にやっても難しい所があります。やはりそこには教育委員会にも協力していただく必要があります。

上野氏
教育委員会の考え方ももう少しオープンにしてもらう必要があります。そのなかで青年会議所の皆さんが、東草野でされていた事業の様に現場に即したことで何か体験させようというのは素晴らしいと思います。そういう事をやったり、あるいは先ほどお話ししたAIであったりこれからの時代に潮流に合うような事を皆さんで働きかけをしたり、開発を進めていく様な努力が大事かと思いますね。

理事長
ありがとうございます。



セクション4 長浜青年会議所のこれからについて

理事長
今年度も夏場に3つの運動系の事業をさせて頂きます。日程が合えば是非ご参加宜しくお願いします。では最後に長浜青年会議所に対してエールをお願いします。

上野氏
地域に密着した形で様々なことをやられて、特に仕事を抱えながらJCの活動を地域の為という強い思いで頑張っていらっしゃることは素晴らしいと思います。それを是非継続してほしいと思います。長浜ドームや北陸線直流化もJCの先輩が精力的に取り組まれて実現をしました。

理事長
そうです。その他には曳山博物館や黒壁もあります。

上野氏
そういった先輩方も地元でいろんな足跡を残されているので、まさに理事長をはじめ、皆さんの世代が次の10年20年経っても湖北にしっかりと残る何かを生み出していただけると、ありがたいなと感じます。私も全面的に応援協力します。是非頑張って下さい。

理事長
ありがとうございます。私たち青年会議所は先駆け団体とした位置づけでやっているのですが、やはり先駆けるからには多少の摩擦や擦れ違いはしかれども形として訴えかけるものを残していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

上野氏
どうぞ宜しくお願いします。

両者
ありがとうございました。



理事長

 

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